日記

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【「消防隊員が見た阪神・淡路大震災」】

阪神・淡路大震災が発生した時、兵庫消防署で宿直勤務をしていた
私の親友は、その日から9日間自宅には帰らずに、救急隊長として
怪我人の救助と搬送にあたった。

地震のあと各地で火災が発生したが、断水のために消防隊は消火の
術を失っていた。
「今燃えている火を消すことはできない。しかし、これ以上火事を
燃え広がらないようにしよう。」
消防隊は、火災発生場所のまわりの道路などを防火線に定め、その
外側の燃えやすいものを取っ払う作業にあたった。

彼が、大きなノコギリを持って割り当てられた場所に急いでいた時、
道路際で、建物の柱に足首を挟まれている人に声をかけられた。
「おい兄ちゃん。そのノコギリでワシの足首を切ってくれ。
 足首ぐらいなくなったって生きていけるがな。」

・・そんなことをしたら、どうやって出血を止めるのか。
彼は、心の中で申し訳ないと思いながら、見て見ぬふりをしてその
場を通り過ぎた。そして、作業を終えたあとで戻ってくると、その
人は、そのままそこで焼け死んでいた・・・・。

彼は心的障害のために不安定になり、他の消防署に転勤を願い出た。
しかし、それだけ過酷な体験をしても、2〜3年経つと次第に記憶が
薄れてくるという。その様な事実があったということは忘れないが
何か夢か映画でも見ていたような感覚になってくるという。

彼は、これではいけないと思って自費出版の本にまとめて、県内と
海外の図書館に寄贈した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私が彼と出会ったのは予備校である。そして地元の同じ大学へ進み、
多くの仲間とともに勉学と旅行などの趣味を共にするようになった。
彼の父上は厳格な弁護士で、彼はその跡継ぎを目指していた。彼は
28歳になった年に大学卒業と同時に神戸市消防局に就職し、新しい
道で優秀な上司や同僚に恵まれ、充実した人生を送っていた。
阪神淡路大震災では心身ともに疲れ果てた様子で、慰安旅行のため
私にグループ会社の旅館を世話してほしいと言ってきた。
定年退職後は、ボランティアでクロスロードの活動をしていたが、
残念ながら病気で亡くなってしまった。




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神戸の風景
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2020年01月14日13:54
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