日記帳

音楽、本、映画、ときどき商売。

2019年3月21日 丸本

 私が、高校2年生の時、国語の先生から、「日本の古典は、丸本で読みなさい」と教えられました。「丸本」、つまり、抜粋ではなく、全文を読みなさいということでした。その教えに従った、という訳でもないのですが、高校から大学の間、「古事記」「竹取物語」「枕草子」「土佐日記」「方丈記」「徒然草」「平家物語」「上田秋成」「東海道中膝栗毛」「浮世風呂」などを読みました。ところが、呉服屋になって、ゆっくり時間が取れなくて、日本の古典から遠のいていたのが、10年ほど前、思い立って、「源氏物語」を読んで、圧倒されて以来、ずっと、日本の古典を読み続けていますが、ここに来て、高校生の時、「日本の古典は、丸本で読みなさい」と教えられたことが、とても大事であることに気付きました。
 目下、「萬葉集」を読んでいますが、「萬葉集」は、大学生の時だったか、高校生の時だったか、岩波新書・斎藤茂吉著「万葉秀歌」上巻・下巻を読んで、いたく感動し、「万葉集」の秀歌を、幾首も暗唱していました。結婚して、二人の子供に恵まれて、上の娘には、志貴皇子の「石激(いわばし)る 垂水(たるみ)の上(うへ)の さ蕨(わらび)の 萌(も)え出(い)づる春(はる)に なりにけるかも」という歌から、「萌」という字を頂いて、「萌(もえ)」と名付け、下の息子には、弓削皇子の「古(いにしえ)に 恋(こ)ふる鳥かも 弓弦葉(ゆづるは)の 御井(みゐ)の上(うへ)より 鳴(な)きわたり行(ゆ)く」という歌から、「弦」という字を頂いて、「弦(ゆづる)」と名付けました。


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2019年03月21日12:00
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2019年3月17日 心性

 今朝、岩波書店刊・日本古典文学大系「萬葉集 四」の最初の、「巻第十五」を読み終えました。「巻第十五」の前半は、「天平八年丙子夏六月、使を新羅國に遣はしし時に、使人(つかいひと)らの、各々別を悲しびて贈答し、また海路の上にして旅を慟(いた)みて思を陳(の)べて作る歌。所に當りて誦詠する古歌を幷せたり。」と冒頭記されている通り、遣新羅使一行の歌が掲載されています。後半は、「中臣朝臣宅守(やかもり)の、藏部の女嬬(にょじゅ)狭野弟上娘子(さののおとがみのおとめ)を娶(ま)きし時に、勅して流罪に斷じて、越前國に配(なが)しき。ここに夫婦の別れ易く會ひ難きを相歎き、各々慟(いた)む情(こころ)を陳(の)べて贈答する歌六十三首」と冒頭記されている通りです。
 前半も、後半も、今も変わらぬ日本人の心性が窺(うかが)えて、非常に興味深く読みました。古今東西、明らかに、変らないものと、変るものがある。変わらないものは、変らないものであるが故に、尊いし、変るものは、変るものであるが故に、面白い。一言で言うと、「みんな違って、みんな良い」ということです。


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2019年03月17日12:00
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2019年3月16日 恋情

 目下、読書中の「萬葉集」は、遣新羅使の一行の連作の後、中臣朝臣宅守(やかもり)と狭野弟上娘子(さののおとがみのおとめ)との贈答の歌、という連作を読んでいます。私は、歴史を調べるのが好きですが、何が面白いかと言うと、時代が変わることで変わるところと、時代が変わっても変わらないところがある。変わるところは、なぜ変わるのか、変らないところは、なぜ変わらないのか、にいたく興味をもつのです。
 中臣朝臣宅守(やかもり)と狭野弟上娘子(さののおとがみのおとめ)との贈答の歌は、中臣朝臣宅守(やかもり)が罪を問われて北陸に流罪になる、その別れに際して、恋人であった狭野弟上娘子(さののおとがみのおとめ)との間に交わされた一連の歌なのですが、実に切々として素晴しい。その中でも有名な一首です。

君が行く 道のながてを 繰(く)り畳(たた)ね 焼きほろぼさむ 天(あめ)の火もがも

(大意)わが君がおいでになる長い道を、手繰って畳み束ねて焼きほろぼしてしまう天の火がほしい。

この恋情の直截さは、今もまったく変わらないのです。

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2019年03月16日12:00
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2019年3月15日 遊女

 「萬葉集」には、作者の名前の明示されていない歌が、多数、含まれている。遣新羅使の一行の歌でも、「右の一首は、大使なり。」とか、「右の一首は、大判官なり。」とか、「右の一首は、大石蓑麿なり。」とか、「右の一首は、田邊秋庭なり。」とか、書かれているけれど、誰が詠んだのかは分からない歌がほとんどです。
 ところが、中に、「右の一首は、娘子(おとめ)なり。」とか、「右の二首は、對馬の娘子名は玉槻なり。」とか書かれている。「娘子(おとめ)」とは、頭注によると、「遊行女婦か。」と出ている。つまり、「遊女」の歌まで採用されているのです。

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2019年03月15日12:00
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2019年3月14日 判定者

 私が「こうべブログ」に書くことは、推測の域を出ないというか、ほぼ邪推なのですが、邪推を承知で書くと、「萬葉集」と、それ以降の、「古今集」「新古今集」と、明らかに編纂の仕方が違う。一つの理由として考えられるのは、「古今集」「新古今集」が、勅撰集であるのに対して、成立の根拠は、未だ調べていませんが、「萬葉集」は勅撰集ではないことにあるのではないか。紀貫之が「古今集」に於いて、藤原定家が「新古今集」に於いて為したことと、大伴家持が「萬葉集」に於いて為したこととは、基本、異なっていたのではないか。
 紀貫之も、藤原定家も、作者であると同時に、それ以上に撰者であった。撰者であるとは、つまり判定者であったということです。私は、未見ですが、岩波書店刊・日本古典文学大系に「歌合集」というのがある。作者同士が、同じ題目で歌を詠み、その優劣を競い合う、というものだそうですが、その優劣を判断する判定者がいる。紀貫之も、藤原定家も、その権威ではなかったか。だから勅撰集の撰者に選ばれた。そ判定者としての権威にかけて、「古今集」「新古今集」に所収する歌を厳選したのでしょう。
 ところが、「萬葉集」で大伴家持がやったことは、まるで違う。より多く、より広く、作品を蒐集しようとした。結果として、集中、4516を数える歌が所収されたのです。


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2019年03月14日12:00
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2019年3月13日 ウィキペディア

 今どき、インターネットで調べたら、実に色々なことが分かる。とりわけ、ウィキペディアはスゴイ!ところが、「日本書紀」を読んで、遣唐使にいたく興味を持って、ウィキペディアで調べたら、きっと色々なことが出ているだろう、と思いきや、意外と薄い。ところが、遣新羅使を調べたら、驚くほど詳細に記述されている。この差は、一体、何なのか。
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2019年03月13日12:00
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2019年3月12日 隣国

 「日本書紀」を読み終えて、続けて「萬葉集」を読み始めたのは、大正解、大成功でした。「日本書紀」を読んで、非常に印象深かったのは、日本と朝鮮との関係でした。あの時代に、これ程、密接な関係があった、というのは驚きです。それと言うのも、確かに、朝鮮は、日本と最も近い国、隣国ではありますが、日本列島と朝鮮半島の間には、海がある。当時の航海術が、どれ程であったにしても、遥か海を越えて、船で行くしかない。
 「日本書紀」を読み終えるまでは、知識として、遣隋使、遣唐使、という名称は知っていましたが、遣新羅使という言葉は知りませんでした。新羅に、外交使節を派遣した、ということですが、今、まさに、「萬葉集」を読んでいる所は、遣新羅使の使節団の作歌なのですが、「日本書紀」の記述の、その奥の、歴史的事実の奥にある人間の感情が伝わってくるのです。


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2019年03月12日12:00
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2019年3月11日 新羅

 今、読んでいる「萬葉集」には、遣新羅使として新羅に渡る一行の歌が載せられています。海を渡る、というのは、当時、今では考えられないほどの難事であったことでしょう。しかし「日本書紀」を読むと、朝鮮半島、中国大陸に向けて、何度も何度も、航海を試みている。その昔、島国根性とか、井の中の蛙とか、自嘲的な、自己を卑下するような自画像を、日本人は描いてきましたが、必ずしも、そうとうは言えない。海洋国家であるが故の進取の気性に富んでいた。だからこそ今日の日本があるのです。
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2019年03月11日12:00
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2019年3月10日 民謡

 岩波書店刊・日本古典文学大系「萬葉集 四」を読み始めました。いいですね。素朴に。「萬葉集」も終りの方になると、作者の表記が付されていない。柿本人麻呂に代表されるような専門家人ではなく、名も無き人たちの歌。まさに「民謡」、「民衆の謡(うた)」なのです。なんとなく、ほっこりします。
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2019年03月10日12:00
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2019年3月9日 達成感

 今朝、岩波書店刊・日本古典文学大系「日本書紀 下」を読み終えました。数えたら、読み終えた日本古典文学大系・日本思想大系の53冊目になります。いつものことながら、読み終えると、ある種の達成感があります。ところが、まだ読んでいない日本古典文学大系・日本思想大系が43冊!もある。「日本書紀 下」の次は、「萬葉集 四」です。「日本書紀 下」に、「萬葉集」に収められた和歌の作者が何人も登場していたから。

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2019年03月09日12:00
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2019年3月6日 統治機構

 目下、「日本書紀 巻第三十」、持統天皇の時代の記述を読んでいますが、いよいよ大和朝廷が、確固とした統治機構を完備した、という印象を受けます。だからこそ、「日本書紀」が、日本で最初の正式な歴史書、史書として編纂されたのでしょう。
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2019年03月06日12:00
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2019燃3月5日 巻数

 「日本書紀」の巻数は、天皇の即位ごとに改められるので、それぞれの巻は、それぞれの天皇の時代の記述になっていますが、その内容が、それぞれの天皇によって、明らかに異なっています。おそらく、それぞれの天皇の、「天皇紀」のようなものが在って、それに基づいて記述されているのではないか。もし、「日本書紀」の編纂者自身が、自分で書いたのであれば、ある一貫した内容になると思えるのですが、そうはなっていないのです。その結果として、それぞれの天皇の治政の特徴が表れているように思われます。


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2019年03月05日12:00
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2019年3月4日 必読

 ここしばらく、岩波書店刊・日本古典文学大系「日本書紀 下」を読み続けて、今朝から、いよいよ最終巻、「日本書紀 巻第三十」に入りました。持統天皇の時代です。まだ「日本書紀」を読み終えていない段階で、私の感想を述べるのは早いかもしれませんが、結論で言うと、日本の歴史について、以前より少し理解が進んだと思います。意外な、と言うか、思いがけない史実が、色々、分かりました。エラそうに言うと、日本の歴史を知ろうとするなら、語ろうとするなら、「日本書紀」は必読の書であると断言します。
 「日本書紀 上」を読んだのは、2年程前だったか、非常に面白かったけれど、どんなことが書いてあって、どこに興味を持ったかは、もう忘れかけていますが、「日本書紀 下」の読後感は、まだまだ鮮明です。どこが面白かったかを箇条書きすると、「対朝鮮問題」「聖徳太子の偉業」「遣唐使」「仏教の影響」「儒教の影響」「名前の変遷」、でしょうか。
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2019年03月04日12:00
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2019年3月3日 高齢者

 私は、来年、「古希」を迎えますが、いよいよもって、列記とした「老人」です。しかし、最近、「老人」というコトバを、とんと見なくなった。「高齢者」になった。更に歳を重ねると、「後期高齢者」だそうですが。以前、「老人」の「ボケ」、と言われていましたが、ある時期から、「アルツハイマー」と言われるようになって、最近では、「認知症」と呼ばれるようになった。
 最近、「障害」のある方に対して、「障害者」と書かないで、「障碍者」と書くようになってきたそうですが、確かに、「害」という「漢字」には、ある種の「負のイメージ」がある。コトバは、所詮、コトバかもしれないけれど、やはり、コトバは大事です。「名は体を表すから」。
「コトバ狩」という意見、批判もあるでしょうが、相手の立場に立つ、という視点、意識は、やはり大事だと思います。
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2019年03月03日12:00
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2019年3月2日 御宝

 「日本書紀」を読んでいて、ある意味、感動するのは、「日本書紀」の編纂者が、「百姓」「人民」、すなわち「国民」を、「おほみたから」と呼んでいることです。ことごとくに、そう読ませている。コトバは、所詮、コトバだ、と言うことは可能です。しかし、「百姓」「人民」、すなわち「国民」を、「おほみたから」と呼んでいたことは「日本書紀」上は、事実だし、事実は、やはり、それなりの意味がある。現実は兎も角、意識上は、「百姓」「人民」を、「おほみたから」と考えていたことに間違いはない。「おほみたから」、即ち、「大いなる御宝」だと。

 
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2019年03月02日12:00
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